パッケージ、ローコード、AI生成の3つの道

#業務システム#ローコード#パッケージ#AI生成

パソコンに向かって作業する2人
写真:Pexels

三つの道は、どれが一番良いかではなく、どの部分に使うかで選びます。どの工場でも同じ部分はパッケージが強く、会社ごとに違う小さな部分はローコードや AI 生成が強い。選ぶときに見るべきなのは、最初の費用より、合わない部分を誰がどう埋めるか、そして入れたあと誰が直し続けるかです。

三つの道の比べ方

パッケージローコードAI 生成
最初の費用導入費が大きい。個別見積が多い小さい。月額だけで始められるものが多い道具によって違う
使い始めるまで数か月かかることが多い作る人がいれば早い早い
合わない部分業務を合わせるか、追加開発する自分で作る対話で作る
保守ベンダーが製品を保守。追加開発分は別作った人が保守作ったものの確認と保守の仕組みが要る
属人化起きにくい起きやすい仕組み次第

以下、それぞれを見ていきます。

パッケージ:標準に合う部分に強い

工場の事務所でパソコンを操作する従業員

生産管理パッケージは、在庫、製造指図、実績のような、どの工場にもある流れを作り込んであります。標準に業務を合わせられる部分では、一番確実な道です。

費用の全体は外からは見えにくくなっています。中小向けの生産管理クラウドで料金を公開している例でも、基本パックが月額35,000円(10ID、税抜)のように示される一方で、導入費用は個別見積です。2025年版の中小企業白書には、広島市の精密板金会社が約3,000万円で市販のソフトを入れたものの、接続数の上限から全工程に広げると1億円を超えるため一部の工程でしか使えなかった事例が載っています。

落とし穴は、合わない部分です。業務を製品に合わせられないところは追加開発になり、その部分は製品の更新のたびに手直しが要ります。

ローコード:箱は安いが、作る人が要る

ノートパソコンと資料を囲んで打ち合わせる人たち

ローコードの道具は、画面とデータの入れ物を、プログラムを書かずに作れるものです。たとえば kintone は、ライトコースが1ユーザー月額1,000円、スタンダードコースが1,800円(どちらも税抜、10ユーザーから、初期費用無料)です。

市場も伸びています。ITR の調査では、国内のローコード/ノーコード開発市場は2024年度に994億円、前年度比15.1%増でした。一方で、日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の「企業IT動向調査2026」は、主に上場企業を対象にした調査ですが、ノーコード・ローコードの導入・試験導入の割合を47.8%としたうえで、コード系の生成 AI のような新しい道具の登場もあり「導入に一服感が出てきているとも考えられる」と書いています。ITR も、AI 系の開発ツールの登場で既存のローコードのベンダーにとって競争が厳しくなる可能性が高いとしています。

ローコードの落とし穴は属人化です。箱は安くても、中身を作るのは社内の誰かです。業務を分かっていて道具も使える人が一人で作ると、その人が異動や退職をしたときに、誰も直せないアプリが残ります。作ったアプリ同士でマスタがばらばらになりやすいのも、よく起きる問題です。

AI 生成:差分を速く作れるが、確認の仕組みが要る

AI に画面を作らせる道は、現場の言葉から画面を作れるので、要件定義書を書く負担が小さく、会社ごとの小さな違いを速く埋められます。

落とし穴は二つあります。一つは、ほぼ正しいものが速く大量にできることです。確認の仕組みが無いと、誤りが見つからないまま使われます。もう一つは、作った画面ごとにデータの持ち方がばらばらになりやすいことです。品目の一覧が画面ごとにコピーされるような作り方をされると、後でまとめられなくなります。どちらも、AI 生成そのものではなく、確認の仕組みと共通の骨組みを道具の側で持っているかで決まります。

保守を忘れない

どの道でも、入れたあとの費用は続きます。JUAS の同じ調査では、企業の IT 予算のうち現行の業務の維持・運営に使う分と、新しい価値を生む分の比率は75.9対24.1で、21年度から大きく変わっていません。主に大企業の数字ですが、システムは作るより持ち続けるほうにお金がかかる、ということは中小の工場でも変わりません。

比べるときは、最初の費用ではなく、3年間で「直したいときに、誰が、いくらで、どれくらいの時間で直せるか」を並べてみてください。パッケージなら追加開発の見積、ローコードなら社内の担当者の時間、AI 生成なら確認と配置にかかる時間がそれに当たります。

組み合わせる

実際には、三つのどれか一つを選ぶより、組み合わせることになります。どの工場にも共通の骨組みは標準として持ち、会社ごとの差分だけを作る。差分を作る手段がローコードか AI 生成かは、社内に作る人がいるか、確認の仕組みを誰が持つかで決まります。

weaveAI FactorySuite は、マスタ・在庫・製造実績・品質・保全を標準の画面として持ち、足りない画面を AI 工房で対話から作る形をとっています。差分の画面も、在庫と製造の整合ルール(共用の関数)を通るように作らせることで、標準の画面と同じ帳尻で動きます。骨組みと差分を一つの道具の中で扱う、組み合わせの一つの形です。

出典

#業務システム#ローコード#パッケージ#AI生成

執筆weaveAI 編集部(株式会社サオス)

株式会社サオスで weaveAI を開発しているチームです。製造業の業務システムと AI について、一次情報と実際の検証をもとに解説しています。

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